「流域地図」の作り方:川から地球を考える

  • マジメ

「流域地図」の作り方:川から地球を考える

著者:岸 由二

出版社:筑摩書房

発売日:2013/11/5

価格:799円

「流域思考」のすすめ

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辻田 昌弘

三井不動産株式会社 企画調査部上席主幹

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著者の岸由二氏は慶應義塾大学名誉教授で「NPO法人小網代野外活動調整会議」代表理事、「NPO法人 鶴見川流域ネットワーキング」の代表理事を務める。

本書では、岸氏が提唱する「流域思考」がわかりやすくコンパクトにまとめられている。ミズベリストの皆さんには釈迦に説法かもしれないけれど、「流域」とは「雨の水が水系に集まる大地の範囲」である。

流域に降った雨は川に流れ込み、最後にはひとつの流れとなって海に入るが、海に流れ込んだ水は雲となってまた流域に雨を降らせる。つまり、流域は水循環の単位なのである。例えば、洪水は流域で起きるから、治水対策は都道府県や市町村といった行政単位で考えるのではなく、流域単位で考えなければならない。同様に、生物多様性危機への対応についても、生態系の基本単位である流域で捉えたほうが有効なはずである。

このように流域という地形、生態系に親しみ、流域を枠組みとして災害対応や自然環境保全、さらには文明の方向まで考えるような思考を著者は「流域思考」と呼ぶ。そして、そのきっかけとしてまずは自分が住む地域を流れる川を軸とした流域の地図‐「流域地図」を作ることを推奨する。

これまでにミズベリング・プロジェクトでは全国60か所で「ミズベリングご当地会議」が開催されてきた。こうした全国各地のいわば「点」の動きが、その川の上流や下流へと拡がって、行政区分を超えた「流域」としての連携が進むと、ミズベリングはさらに盛り上がるんじゃないかなあ…などと夢想しつつ。

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辻田 昌弘

三井不動産株式会社 企画調査部上席主幹

ミズベリングプロジェクト・アドバイザリーボード・メンバー。1958年生まれ。経団連21世紀政策研究所研究主幹、三井不動産S&E総合研究所長、東京大学公共政策大学院特任教授を経て2018年より現職。

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